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2013年11月21日 (木)

減反政策の見直しは補助金の増額付け替えではないのか

政府はTPP締結のためには【聖域】として関税を撤廃しない分野(米。麦、砂糖など5項目)も段階的に関税を引き下げざるを得ないと日米2国間協議の中で判断したようである。
減反政策を見直し、減反助成金(10アール当り1万5千円)を廃止するのであるから農業団体や営農家から反対のシュプレヒコールが起きるかと報道を注目していたが、反対の声は上がらない、これには裏があると筆者は感じたが、やはり後述するような裏があった。
減反政策の見直しについて朝日新聞電子版【朝日新聞デジタル】は10月24日午後、『政府・与党は、コメの価格を維持するための減反(生産調整)政策を、抜本的に見直す方向で検討に入った。来年の通常国会への関連法案提出を目指している。農林水産省が各都道府県に割り振る生産目標数量の廃止も視野に、11月末までに具体策を検討する。
政府は24日の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)から、自民党も25日から議論を本格化させる。11月末までに、減反政策を大きく見直す方向で、結論を得たい考えだ。
政府が減反政策の見直しに踏み込むのは、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、農業の国際競争が激しくなる見通しが強まっていることが背景だ。コメの価格維持政策を見直すことで、コメのコスト削減や競争力の強化、大型農家への農地集約を狙っている』と配信している。。
農水省の資料によれば、日本の耕地面積のピークは昭和36(1961)年の609万haであったが、今年・平成25年(2013年)には454万haにまで減少している。現在の耕地面積の内訳は【田 247ha,畑 207ha】である。ピーク時(昭和44年・1969年)の田の耕地面積は344万ha.約100万ha減ったことになる。この最大の原因は国内の米の需要が激減し、農地が工場用地や住宅地に転用されたためである。
米の収穫量のピークは昭和42(1967)年の1425,7万トンであったが、今年の収穫予想量は860,4万トンである。米の需要は何らかの原因で、米や野菜、魚を好んで食べていた戦前の日本人の食生活に回帰しない限り、これからも減り続けることになる。
農水省は米の生産価格を高値で維持するために、減反助成金を交付して米の生産を制限してきた。ところがその一方で【食料自給率】なる日本でだけ通用する概念をつくりあげ、自給率を上げようなどと国民に訴えてきた。一方で生産を制限し、もう一方で生産を煽るという矛盾する農業政策を行ってきたことになる。この矛盾を解消するために民主党政権以前の自民党政権末期に考え出されたのが【水田フル活用】と呼んだ政策である。この政策は民主党政権の下で【農家の戸別所得補償制度】として実現した。
この制度は、非主食用の米(米粉、飼料用米)を作っている農家に販売価格の安い米粉(10アール当り2,5万円)と主食用の米10アール当りの販売価格約10,5万円の差額8万円を補助金として与えている。
自民党・農水省は大規模農家を育成し、国際競争力を付けさせると主張しているが、北海道を除けば日本の農地は集約しても40ha程度で、3000~5000ha規模のアメリカの農業に価格の面で太刀打ちできない。真の狙いは減反して需要が減少していく主食用米つくり農家のために高い価格を維持することにある。
自民党が狙っているのは減反するする農家に非主食用のコメの生産を進め、転作I(主食用コメから非主食用コメへ)を減反と解釈して民主党政権時代の10,5万円に近い補助金を新たに創設しようとしているのである。減反助成金1,5万円は廃止されるが、新たな補助金が10万円とすれば、10アール当り差し引き8,5万円の収入増になる。減反政策見直しに農業関係者から反対の声が上がらないはずだ。
もしこのような国民を騙すような補助金の増額付け替えが実現すれば、次の衆院選で自民党は政権の座から再び下りるような事態が起こりうる。   (おわり)


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