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2013年11月10日 (日)

地方への財源移譲なくして日本経済の再生はない

このところアメリカの有力紙が【アベノクス】の先行きに対する懸念を取り上げている。アメリカ政界に影響力があるとされる【ワシントン・ポスト】は11月9日、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の「第3の矢」である成長戦略が失速しかけているという社説の中で「日本は経済改革へ、より積極的な対策を講じるべきだ」と主張している。
また、有力経済紙の【ウォール・ストリート・ジャーナル】は世界の大手ヘッジファンドの一つ【サードポイント】を率いるダニエル・ロープ氏の「日本政府に労働市場と規制の改革を推し進めるように圧力を強めている」という談話を10月25日に掲載している。要するにアメリカのマスコミはアメリカ企業の日本の市場開放要求を代弁しているということである、
日本経済は、「アベノミクス」の金融緩和によって円高が解消され、輸出主導型産業(自動車や電機産業)の業績が回復し、首都圏の経済環境は好転した結果、個人所得も上昇に転じている。バブル崩壊以降、売り上げ減少に悩まされ続けてきた百貨店業界も売り上げが伸びてきているという。
問題は地方経済である。一部の地域(愛知県の豊田市や岡崎市、群馬県の太田市や大泉町など)を除けば景気が回復しているという実感を持つ、地方の企業経営者は少ないであろう。
日本国憲法では【地方自治】は行政権から独立していて、内閣の干渉を受けないことになっている。このことは1997年の秋の衆院予算委員会の民主党の菅直人氏(元首相)質問に対して橋本龍太郎首相(当時)と内閣法制局長官が答弁の中で認めている。
ところが現実には地方自治体は財源が十分でないために国からの地方交付金に依存し、地方自治とは名ばかりで、地方自治体が独自に実施てきる事業と言えば県道や市町村道の整備ぐらいである。
社会的インフラがほぼ整備された日本では【地方のことは地方に任せる】時代に入っているのだ。言葉を換えれば、地方は国主導の均等な発展から地方の基礎自治体主導の地域特有の資源を活用する【特色ある発展】の時代に入ったと言えるであろう。
その証拠に法律で禁じられている赤字国債を発行して民間の資金を吸い上げ、公共工事を増やしても公共工事は日本の景気の下支えにはなるが、景気を浮揚させるする効果はない。このことは1999年にノーベル経済学賞を受賞したロバート・マンデルとジョン・フレミングの【マンデル・フレミング理論】が解き明かしている。
地方の経済再生なしには日本経済の真の回復はありえない。それを可能にするのは地方自治体への財源の一部移譲だ。地方に移譲すべき課税権は【消費税】が相応しい。本来【消費税】は商品やサービスを購入した時点で発生するのであるから地方に今以上の取り分を与えるべきなのだ。
11月8日に開かれた全国知事会も財源問題には神経を尖らせており、知事会では出席した安倍首相に対して地方特別法人税の再検討を要求している。
【テレ朝ニュース】は9日深夜、『安倍総理大臣は、全国知事会に出席し、国から地方への権限委譲を実現すると強調しました。これに対し、東京都の猪瀬知事は地方法人特別税の見直しを要求しました。
会議では、地方法人税の一部を国が格差是正のために各都道府県に振り分ける地方法人特別税について、猪瀬知事らが「地方分権と逆行する」として廃止を求めました。
 東京都・猪瀬知事:「今回の法人事業税の暫定税率はまずやめるべきだということと、法人住民税、地方の基幹税に手を突っ込むのをやめてほしい。国の方向は間違っているよということはきちっと言い続けます」
これに対して安倍総理は、「安定的な地方税体系の構築に取り組む」と述べるにとどまりました』と報じている。
地方に財源を移譲し、地方独自の経済政策を実施できる体制を構築できるか否かが日本経済復活の分岐点になる。   (おわり)


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