« 決められない政治に苦しむアメリカ | トップページ | 前宇都宮女性市議に公民権停止5年の略式命令が出される。 »

2013年10月 5日 (土)

衆院の議員定数削減は本当に必要なのか

民主党は任期満了に伴う09年の衆院選を意識して【マニフェスト】(政権公約)を発表し、その中で、議員定数については【議員の世襲と企業団体献金を禁止し、衆院定数を80削減します】と謳っていた。諸種の世論調査などから政権交代が現実味を帯び、民主党は当時の小沢一郎幹事長の指示の下、選挙に勝つために実現の可能性などを度外視してポピュリズム(大衆迎合)に徹した政策を並べたのだ。その最たる例が【衆院定数80を削減する】ということになる。このような政策を打ち出すこと自体、自らの存在価値を否定しているのである。
ところで、G7の各国の人口、議員定数、議員報酬などを比較すると次のようになる。【アメリカ】●人口、2億8142万人●議員定数 535人●議員報酬 約1570万円、【日本】●人口 1億2000万人●議員定数 732人、●議員報酬 約1700万円、【ドイツ】●人口 8226万人●議員定数 755人●議員報酬 1130万円。【イギリス】●人口 5950万人●議員定数 1050人●議員報酬 970万円、【フランス】●人口 5962万人●議員定数 898人●議員報酬 約10000万円 【イタリア】●人口 5732万人●議員定数 935人●議員報酬 約2000万円、【カナダ】●人口 3075万人 ●議員定数 405人 ●議員報酬 約1200万円(2009年の資料)
人口との比較で見ると日本の国会議員の数は一番少ない。アメリカは日本より少ないがこれは連邦制のアメリカでは国の役割は外交、防衛、教育に限定されているので議員の数が少なくても支障をきたさないのだ。
議員報酬は日本は09年当時世界一であったが、今は正確な金額は不明である。経済規模の差や貨幣価値の差があり、東京の物価が世界一というような条件を考慮すれば金額の単純比較は無意味であろう。日本の議員の大半は議員報酬の一部を政治活動費に繰り入れているのが現状で、野党議員は経済的には厳しい状況下にある。自民党議員でも政治活動費に事欠く若手議員は多い。
日本の国会議員の年間の経費は1人の政策担当秘書、2人の公設秘書の給与、議員報酬、交通費などで約1億円と言われている。民主党のマニフェストでは80人を削減すると主張していたから実現すれば80億円の節約になる。だが年間70兆円を超える予算で80億円はどれだけの価値があるのであろうか。80人を削減して政治を劣化させて、官僚主導の政治を再現させるデメリットを考えれば定数削減は反故にすべきである。
与野党の議員自体定数削減などはやる気はないのである。その証拠に約3年4ヶ月の民主党政権下で実現しなかったのである。違憲状態を回避するために選挙区の【0増5減】を成立させただけである。
ただし、安倍首相が増税開始時期を表明した以上、【定数削減問題】に取り組む姿勢を先の衆院選前の3党合意の当事者自・公・民3党は見せなければならず、実務者レベルの協議を始めたのだ。
【FNNミュース】は10月3日夕刻、『衆議院の定数削減を含む選挙制度改革をめぐり、自民、公明、民主3党の実務者協議が行われ、民主党は、小選挙区と比例代表の定数を、いずれも削減するとした新たな案を提示した。
民主党の岡田克也政治改革・国会改革推進本部長は「5減はあくまで緊急是正措置であって、次期衆院選までにさらなる改革が不可欠」と述べた。
実務者協議は、7月の参議院選挙後、初めて開かれた。
この中で、民主党の岡田政治改革・国会改革推進本部長は、小選挙区と比例代表の定数をいずれも削減し、3対2程度の比率を維持する新たな案を示した』と報じている。
この実務者協議は次期衆院選直前まで続くことになろう。


|

« 決められない政治に苦しむアメリカ | トップページ | 前宇都宮女性市議に公民権停止5年の略式命令が出される。 »

10選挙」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 衆院の議員定数削減は本当に必要なのか:

« 決められない政治に苦しむアメリカ | トップページ | 前宇都宮女性市議に公民権停止5年の略式命令が出される。 »