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2013年10月 4日 (金)

決められない政治に苦しむアメリカ

先の参院選での自・公連立政権の圧勝により、衆・参議院の【ねじれ】状態が解消し、日本の政治は決められない政治から決められる政治に転換した。安倍首相は10月1日に、予定通りの消費税率の引き上げを正式に表明したが、【ねじれ状態】が続いていれば議会対策に手間取り、たとえ消費税率引き上げ実施を決めたにしてもその表明の時期はもっと遅くなっ[たに違いない。
ところで、【ねじれ】という言葉が最初に使われたのは、1989年7月30日付けの朝日新聞朝刊の政治面に掲載された記事の中である。日本の戦後の政治状況の中で、衆・参議院の【ねじれ現象】が起きたのは6回を数える。最もその弊害が現れたのは2010年7月の参院選で与党民主党が大敗して参院の過半数を失って以降だ。民主党は衆院の安定過半数を確保していたが、3分の2以上の議席は確保していなかったので、予算案以外の法律は全て通らず、麻痺状態に陥っていたのである。
今、アメリカが上院と下院の【ねじれ状態】に苦しんでいる。上院は民主党が52議席を占め、45議席の共和党を上回り、過半数を制している。ところが、下院では、野党共和党が227議席を確保し、182議席の民主党を抑えて、過半数を握っているのである。ただし、アメリカ議会は上院と下院は対等の立場であり、予算案のみ下院の優越が認められている。さらにアメリカでは日本のように議案の採決に関して党議拘束を掛けることはほとんどないので、野党の一部が賛成に回り、与党提出の法案が可決されるという事態はしばしば起こる。【ねじれ状態】でもアメリカの政治がまがりなりにも機能しているのは党議拘束がないからである。
それに対して、日本は議院内閣制を導入しているので、議員である内閣総理大臣が指揮する政府が法案を提出できるが、アメリカの大統領は議員ではないので、法案を議会に提出することはない。、立法権は議員だけに与えられ、大統領には立法権は付与されていないからである。大統領はあくまで与党に対してこのような法案を提出して欲しいと要望するだけなのだ。
共和党が過半数を占めているアメリカ下院議会は今年度予算(13年10月~14年9月)を巡り対立が続き、一部政府機関が閉鎖に追い込まれている。対立の原因は野党共和党が【医療保険改革法関連部分の一部を延期するか修正を求めているのに対して、与党民主党が、それに応じないからである。
その上、政府債務上限に関して、財務省が国債利払いの義務遂行するためには10月17日までに上限額を引き上げる必要が生じていることも事態を複雑にしている。
【ウォール・ストリート・ジャーナル】は10月1日、下院の対立について、『政府機関の閉鎖はすぐに終わるとは期待しないでほしい」――。これが、米上院共和党指導部と民主党スタッフが1日送ったメッセージだ。
今年度(2013年10月―14年9月)予算をめぐる民主、共和両党の対立が解消せず、政府機関のうち緊急性の低い部門が10月1日から閉鎖に追い込まれたが、議会のもう一つの争点である政府債務上限の引き上げ問題が決着するまで、閉鎖は2週間以上続く可能性が強まっている。
ミッチ・マコネル共和党院内総務(ケンタッキー州)と、ジョン・スーン議員(共和、サウスダコタ州)は1日、債務上限問題に移行する前に、短期の暫定予算案で合意したいとの希望を表明した。しかし両氏とも、上限を引き上げるか上限規定の適用を停止せざるをえなくなる10月後半まで、政府機関の閉鎖が続く可能性が大きいとの見方を示した』と配信している
オバマ大統領は政府機関の一部が閉鎖に追い込まれたのは共和党のせいだと国民に訴え、国民の賛意を得ている。それに対して共和党の支持率が急落しているという。何れにしてもアメリカ国債の利息の支払いを不履行にはできないので、16日までには決着が付くことは間違いない。それにしても世界のリーダーであるアメリカが昨年に続きこのような問題を起こしていては、国際社会の笑いものになる。   (おわり)

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