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2013年10月12日 (土)

チキンレース化したアメリカ政府機関閉鎖と債務上限額引き上げ

10月1日から始まったアメリカ政府の2014年会計年度予算の執行。9月29日下院多数派の共和党は医療改革法の施行の1年延期を盛り込んだ14年会計年度(13年10月1日~14年9月30日)暫定予算再修正案を賛成多数で可決させた。一方、上院で過半数を握る民主党は再修正案を下院に差し戻したために予算協議の調整かつかず、緊急を要しない一部政府機関が17年ぶりに閉鎖されている、
さらに10月17日までに債務上限額の引き上げが決定しなければアメリカ国債の利払いにも支障をきたし、デフォルト(債務不履行)の危険性さえ生じている。
政府機関の一部閉鎖の根底には、【オバマケア】と呼ばれる「医療保険改革法」をめぐる与党民主党と野党共和党の歩み寄りがたい対立が存在している。民主党は社会保険の充実を目指しているが、共和党は歳出削減を要求しているからだ。
そしてその歩み寄れない対立の根本原因は上院は民主党が過半数(民主党53議席、共和党45議席、無所属2議席)を制し、下院は共和党が過半数(共和党235議席、民主党200議席)を握っているという【ねじれ現象】が起きているためである。アメリカも日本と同じように昨年から【決められない政治】の時代に突入したことになる。
新会計年度(14年度)に入る前日の米連邦予算協議が不調に終わった9月30日深夜、「共和党は政府を信じていない。反政府主義者だ」と民主党のぺロシー下院院内総務は共和党を激しく非難した。
予算協議の最大の焦点は、【オバマケア】と呼ばれる「医療保険改革法」である。手厚い社会保障の『大きな政府』を掲げる民主党にとって国民皆保険実現の鍵を握る【医療保険改革】の支出は絶対に譲歩できない一線なのだ。民主党のリード上院院内総務も「(先送りなどの)修正は認めない」と強気の姿勢を崩していない。
政府関係機関の閉鎖に関する世論調査では、62%が共和党に非があるとしている。10日、共和党幹部は世論の動向に配慮して打開の道を探り始め、オバマ大統領と協議を行った。
第1回目の協議についてロイター通信は11日午前、『[ワシントン 10日 ロイター] - 米ホワイトハウスは10日、この日行われたオバマ大統領と下院共和党指導部との債務上限引き上げや政府機関再開をめぐる協議について、今後について具体的な決定はなかったと明らかにした。
ホワイトハウスは声明で1時間半におよぶ協議は「良い協議」だったとし、「協議後、今後について具体的な決定はなかった」ことを明らかにした。また「オバマ大統領は両党議員との協議で(予算・債務上限問題で)引き続き進展があるよう望んでいる」と表明した』と配信している。
与党民主党が強硬なのは世論の支持があるという自負と民主党の看板政策【医療保険改革法】の施行を先送りすれば来年の中間選挙への悪影響が出ると情勢分析をしているからであろう。
それに対して共和党が強気なのは、生命保険業界から多額の政治献金を受けている手前、生保業界にとって死活問題である【医療保険改革法】の実施に抵抗しなければならないからである。
10月16日のタイムリミットまで攻防が続くであろうが、最終的には債務上限額の引き上げは、世界経済の混乱を回避するために実現するであろうが、14年会計年度の予算協議はさらなる時間を要するかもしれない。共和党としても安易に手打ちにできない事情を抱えているからだ。
アメリカの財政問題が早期に決着しなければその混乱の影響は日本経済を直撃することになる。アメリカ国債債務不履行の懸念からアメリカ国債の長期金利が上昇し、円高になり、日本の輸出が停滞することになる。日本にとってアメリカの財政問題は他山の石ではない。   (おわり)

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