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2013年8月 6日 (火)

IMFの日本に関する報告書は内政干渉である。

通貨と為替安定のために1946年に設立されたワシントンD・Cに本部を置く国際連合の専門機関【IMF】(国際通貨基金)の日本経済に関する報告書が8月5日公表された。IMF加盟国は2011年9月の時点で187カ国であるが、その日常の業務は4名の任命理事と20名の理事で構成される理事会が主導している。
任命理事はIMFへの出資金の多い、アメリカ(17,67%)、日本(6,56%)、ドイツ(6,11%)、イギリス(4,51%)、フランス(4,51%)から選ばれるケースが多い。IMFの代表の専務理事は現在フランスのラガルト女史がが務め、日本からは財務省のNo2の財務官経験者の篠原尚之氏が副専務理事の座にある。そのほか日本は財務省から理事を1人と数名の一般職員をIMFに出向させている。つまりIMFは財務省にとっては【財務省ワシントン分室】のような存在と言えよう。日本に関する報告書の実態は財務省の出向官僚が史料を提供する(報告書を書き上げる)のであるから財務省報告書と呼ぶべき代物なのだ。
2010年7月11日に実施された第22回参院選で民主党は大敗し、野党が参院の過半数を制する【衆参ねじれ状態】が再現した。【民主党政権】で増税法案を成立させようとしていた財務省は【ねじれ状態】再現にあせったと思われる。7月14日に財務省の意向を受けて、IMFは日本の消費税を15%にする提言をしているレポートを発表した。外圧によって消費税の増税を実現しようと財務省が画策した結果である。
このレポートに対して、米イェール大学名誉教授の経済学者浜田宏一氏(現内閣官房参与)は「政府の信用状態を正確に把握するには、租債務ではなく、純債務を見るのが常識である。純債務であれば日本政府の負債はGDP比60%以下にもかかわらず、同レポートでは租債務の数字(日本政府の負債はGDP比約180%)を用いている。またレポートは日本円へのソブリンリスクを懸念しているが、日本は世界最大の債権国であり、円に対する市場の信任は高区、リスクが高いとは言えない。さらにこれまで金融緩和などの対策を講じていないことに言及せず、デフレの危機を伴う消費増税を求めるのも無理がある」と述べている。
5日に発表された【IMF報告書】に関して【NHKニュースウェブ】は6日深夜、『IMF=国際通貨基金は、日本経済に関する報告書まとめ、安倍総理大臣がこの秋に最終的に判断するとしている消費税率の引き上げについて、財政再建を進めるうえでの「重要な一歩だ」として実施するように促しました。
IMFは、日本の経済政策などを調査した年に1度の報告を5日、発表した。
この中で、日本経済について日銀の大胆な金融緩和や政府の景気刺激策などでことしは2%の経済成長が予想され、足元の状況ははっきり改善していると評価しました。
ただ、IMFは信頼のおける財政再建策と構造改革が実施されないままでは安倍政権の経済政策、アベノミクスの成功は難しく、まずは「消費税率を再来年までに10%に引き上げることが重要な第1一歩だ」と指摘しました。
安倍総理大臣は、来年4月に予定されている消費税率の引き上げについて、この秋に最終的に判断する方針ですが、IMFは、財政再建を進めるため予定どおり実施するよう促した形です。
また日本が巨額の債務を着実に減らしていくためには、向こう10年間でGDP=国内総生産11%に相当する増税や支出の削減が必要だとして消費税率を段階的に15%まで引き上げ、増え続ける医療や年金などの負担を見直すよう求めました』と報じている。
日本政府はIMFから融資を受けてはいないし、ここ数年間は融資を受ける予定もないであろう。そうした国家に対して、税金を何%あげろとか日本の経済や財政政策に干渉するかのごときIMFの報告書は僭越以外の何ものでもない。財務省は見せかけの【外圧】という姑息な手段を行使すべきではない。これでは内政干渉だ。
浜田内閣官房参与が指摘するように日本政府の純債務はGDP比で60%以下である。政府保有の株式の価値が上がっているので財政再建より先に公務員(国家公務員と地方公務員、特別職の議員は除く)の給与を来年4月以降も現行の7,8%削減に増税分の3%をプラスした10,8%の給与削減を続行すべきであろう。公務員こそ身を切る覚悟を示さなくてはならない。    (おわり)

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