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2013年8月12日 (月)

参院の選挙制度の抜本的改革は実現するのか

昨年の12月の衆院選直前に、衆議院は、【違憲状態】にあった1票の格差是正のために選挙区の「0増5減」を実現させて違憲状態を回避した。参議院も【1票の格差】を理由に最高裁から抜本的な選挙制度の改正を求められている。
【1票の格差】の判断の基準は三通りの考え方が存在する。選出される国会議員は、日本やアメリカを含む多くの国では非有権者(こどもなど選挙権を持たない者)を含む全ての住民(国民)の代表という考え方。ところがイギリスでは有権者の代表であり、ドイツでは実際に投票した有権者の代表という考え方に基づいている。
日本では参院の選挙制度が誕生して半世紀を越えたが、その間、最高裁が指摘しているような「都市部への人口集中による都道府県間の人口格差が拡大する中で総定数を増やす方法に制約があり、都道府県単位の選挙を維持しながら投票価値の平等の実現を図ることはもはや著しく困難」という状況にになったのだ。
2010年の国勢調査で人口の一番少ない588667人の鳥取県と2080773人で人口全国17位の岐阜県が同じ定数2の選挙区なのである。本来この格差を解消するのは定数増が合理的な方法なのであるが現在は定数減という真逆の方策を採って矛盾を拡大させている。参院の改革が遠ざかかっているといえよう。
【時事通信】は8月9日夜、参院改革について『参院選挙制度の抜本改革をめぐり、自民党は盆明けの8月下旬にも協議再開に向けて各党に参院幹事長会談を呼び掛ける。野党側も応じる見通しで、2016年の次期参院選まで先送りされた抜本改革の協議が始まる。しかし、各党の主張の隔たりは大きく、合意への道筋は見えない。
選挙制度改革に関し、山崎正昭参院議長は2日就任会見で「公正な結論を見出すべく努力したい。先送りになると【決められない政治】との指摘を受ける」と結論を急ぐ考えを示した。
抜本改革をめぐる議論は長らく難航してきた。07年の参院選について最高裁は09年、「1票の格差」を理由に抜本的な制度改正の必要性を指摘。参院は翌10年、西岡武夫議長(当時)の下に各党検討会を設置し、協議を重ねてきた。
12年11月には1票の格差是正のため定数を「4増4減」する改正公職選挙法が成立。しかし、あくまで、抜本改革までの応急措置との位置付けで、同法は付則に「16年参院選までに抜本改革の成果を得る」と明記した。参院選前の今年6月には、14年度中に成果を得て、15年の通常国会で関連法案成立を目指すことを各会派が確認している』と配信している。
【定数削減】という抜本改革を阻害する方法で改革を実施しようとしているうえに、弱小政党が1議席でも多く参院での議席を獲得しようという欲得が加わり、比例区の定数を増やそうとするので結論が出せない状況が続いているのだ。
参院の選挙制度の改革以前に、参議院の存在理由を問い直す必要があるであろう。05年の衆院選以降、衆院選では獲得議席が一方に偏る傾向が顕著になった。その反動で、衆院選で敗れた議員は生活のために参院に鞍替えしようとして立候補するケースが増えている。割のいい職業と考えて参院議員を目指すのでは、国民にとってはいい迷惑だ。安倍首相に言わせれば政治とは【不可能を可能にする技術】なのである。経験と知見が必要なのだ。これが駄目ならあれにしようと言う程度の意識の政治家の存在は必要はない。
おそらく参院改革も先送り先送りで16年の選挙直前に緊急避難的な改正で改革の素振りを見せるだけに違いない。   (おわり)
   

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