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2013年7月14日 (日)

中国陰の銀行の破綻で中国版リーマンショックは起きるのか

【中国人民銀行】(中国の中央銀行)は中国版【ノンバンク】(信託会社やファンド)である【陰の銀行】への資金の流れを止めるために6月20日に、人民銀行の金融引き締め策の【公開市場操作】を実施した。【公開市場操作】とは公開市場(銀行以外の企業や個人も参加できる金融市場)において、手形、政府間短期証券、国債などの売買を行い、中央銀行信用やベース・マネー(現金と中央銀行預け金合計)を増減させることだ。
公開市場操作の実施の結果、金融市場で乱高下が起きたがこの遠因は、2年前国務院発展研究センターの研究員の作成した内部報告者が外部に流失したためである。報告書は2013年7月に中国に深刻な金融危機が訪れることを予測していた。その根拠は中国の【影の銀行】と呼ばれるノンバンクは金利10%を謳い文句に【理財産品】という財テク商品を個人投資家に大量に売り捌き、その満期が13年6月であったからだ。【影の銀行】は【理財産品】の販売で調達した資金を普通の銀行から信用力が低いために融資を受けられない企業などに資金を貸し出していた。それらの企業からは元本や利息を回収できない可能性が高いのである。
銀行が資金を融通し合う指標となる上海銀行間取引金利は6月17日の時点では4,8130%であったが、18日には5,5960%、19日には7,6600%に上昇し、公開市場操作が行われて【影の銀行】への資金の流れが止められるとという懸念が広がると、金利は一気に13,4440%に跳ね上がったが、21日には人民銀行や資金に余力のある銀行が融通し合って銀行の破綻回避に動いたために金利は8,4920%にまで急降下した。一応金融危機は回避されたが火種が消えたわけではないので、何時金融危機が再燃するかは誰にも分からない。
【影の銀行】の総融資額は約24兆元(383兆円)とも言われ、中国の国内総生産(GDP)のほぼ半分に該当する膨大な金額である。中国金融危機説の論拠は【影の銀行】の融資が不良債権化するばかりではない。
08年9月に起きたリーマンショック後、各国政府は内需拡大のための景気刺激策として公共工事を拡大する経済政策を取った。中国もこれに同調して中央政府は国営商業銀行に対して地方政府の公共事業に融資するよう指示を出している。08年秋から地方政府はその傘下の【地方融資平台】を窓口にして2年間で17兆元(約270兆円)を借りまくって現在でも融資残高は10兆元(約160兆円)を超えている。中央政府は国営銀行に対して【地方融資平台】への融資を停止させたが、銀行への金利支払いに追われる【地方融資平台】へ融資を停止すれば債務不履行に陥るので、銀行は簿外で【理財産品】で調達した高利の資金を注入し続けている。
理財産品の返済期間は6カ月以下の短期でしかも10%という高利なので、地方政府の債務不履行は何れ避けられない状態になる。結局.地方政府の債務を中央政府が肩代わりするという構図が見えてくる。個人投資家として有名なソロス氏は中国が金融危機の回避のために与えられている時間は2年間だと明言している。
こうした中国の金融危機は現実味を帯びてきたので、中国に進出している欧米の金融機関は中国離れを起こしている。米金融大手のゴールドマン・サックスは中国最大手の国営銀行・中国工商銀行の全株式を売却したし、欧米系のヘッジファンドは香港株式市場などで中国株式の空売りを仕掛けて利益を食い逃げする気でいる。日本企業も中国からの撤退を真剣に検討すべき時期に入ったということであろうか。   (おわり)

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コメント

今日は~^^またブログ覗かせていただきました。よろしくお願いします。

投稿: フェラガモ バッグ | 2013年7月28日 (日) 05時15分

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