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2013年7月21日 (日)

参院選後の民主党栃木県連の行方

参院選栃木選挙区の争いは自民党新人候補高橋克法氏の圧勝で終わりそうである。開票率0%の時点で【高橋氏当確】がテレビのテロップに流れると言われている。2番目の得票を得るのはみんなの党の沖智美氏らしい。この結果、宇都宮市議2期、県議4期、参議院2期という36年の政治経歴を持つ民主党公認候補・現職の谷博之氏はどうやら36年の政治生活にピリオドを打つことになりそうである。
ところで今回の選挙ほど筆者にとって結果の読めない選挙はなかった。最大の原因は民主党栃木県連を支えていた連合栃木傘下の大手民間労組の傷み方の実情が把握できていなかったことに尽きるのであろう。不明を恥じるしかない。
08年のリーマンショックは自動車・電機といった輸出主導型の産業を直撃した。全国でも自動車・電機産業に依存度の高かった愛知県(トヨタ・三菱自動車)、群馬県(富士重工・三洋電機)、栃木県(パナソニック、シャープ、ホンダ、日産)の3県の受けた打撃は大きかった。しかしながら、【アベノミクス】によって、円安となり、トヨタと富士重工(スバル)は輸出が好調で、トヨタの本社・工場のある愛知県豊田市や岡崎市の景気は回復している。
スバルも今年度の生産台数は史上最高の62万台と上方修正されたばかで、そのうちの7割は北米向けであるという。毎日2時間程度の残業と1日2交代制のフル操業をに入っている。スバル本社・工場のある群馬県太田市の景気は完全に回復した。
一方、栃木県の現況は厳しく、ホンダは芳賀町に進出しているが研究開発部門のため、景気には関係がない。日産は企業連合を組んでいるフランスのルノーがEUの経済危機の影響で不振である。そのために日産の車8万2千台をルノーのフランス工場で生産することになり、日産上三川工場は何の恩恵もない。栃木県だけが不況から抜け出せない状態なのである。直近の6月の栃木県の有効求人倍率は0,85である。それ故、連合栃木傘下の大手労組は選挙どころではない。
さらに企業戦略の失敗により、経営危機に陥っているパナソニックが生産拠点の統廃合を余儀なくされ、宇都宮工場にはテレビの組み立て部門だけが残り、正規従業員は500人、非正規従業員500人だけが残され、連合栃木の推進役の労組の一つであり、谷参議院議員の生みの親パナソニック労組は昔日の面影はない。そのため、今回の谷氏の選対本部は推進役がなかったと言えるであろう。これでは労組主体の選挙は闘えない
昨年の衆院選を前に民主党は4区選出の山岡賢次氏と5区に基盤を置いた比例北関東選出の富岡芳忠氏の離党で勢力が大幅に後退していた。衆院選の小選挙区での得票数は1区で約5万6000票、2区で約4万6300票、4区で約2万2500票の合計12万4800票である。それに対して公示直前になって落下傘候補を擁立した【みんなの党】が昨年の衆院選の小選挙区で獲得した票の合計は、1区5万票、2区3万8000票、3区8万4000票、4区4万9000票,5区3万8000票の25万9000票であった。栃木県は【みんなの党】の発祥の地とはいえ、民主党はみんなの党の半分の票しか獲得していない。我々は、谷氏が現職であることに目を奪われて民主党が谷氏を当選させられる票を持っていないことを見落としていたということになる。
予測のように谷氏の敗戦が現実のものとなれば、民主党栃木県連の将来の見通しは暗い。15年4月実施の統一地方選挙までに残された時間は2年を切っている。民主党所属の宇都宮の市会議員は現在8人であるが、高齢のため、2人は引退を囁かれている。ベテラン議員の一人は不祥事を起こしているので次回の選挙は厳しい。さらに宇都宮選挙区選出の県議は現在2人であるが、浮動票がほとんど見込めない状況に陥っている民主党議員は宇都宮選挙区では現有議席2を維持するのに手一杯で勢力拡大は困難を極めるであろう。オーバーな表現ではなく民主党県連は参院選後消滅の危機に瀕することになる。   (おわり)

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