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2013年3月27日 (水)

定数削減よりまずは【1票の格差の是正】を優先せよ

昨年暮れの衆院選の広島1区と広島2区の選挙の無効を訴えていた裁判で、3月25日、広島高裁は【選挙は無効】の判決を下した。ただし「判決の効力は11月26日まで猶予する」というものである。                            判決に対する忌憚のない筆者の感想を述べれば、選挙制度改革に真摯に取り組まない立法府に対して強い警告を発したということであろう。                           だが、【1票の格差】という観点から判断すると、この判決は無理筋という気がするのである。                          というのは、日本で一番有権者数が少ないのが高知3区(土佐市、須崎市、四万十市)で、この選挙区の有権者数(205481人)を基準にして1票の格差を表現する。広島1区(中区、東区、南区)の有権者数は12年9月2日の時点で、315235人で1票の格差は1、53倍、広島2区(西区、佐伯区、大竹市、廿日市市、江田島市)は有権者数393,426人なので、1票の格差は1,91倍で最高裁の違憲の判断基準は2倍である。広島1区と広島2区は、2倍以内に格差が収まっているのであるから【選挙は無効】という判決は首を傾げたくなる。                           選挙の無効判決を受けてフジテレビ系の【FNNニュース】は26日早朝、『最大で2,43倍の格差があった2012年12月の衆議院選挙の「1票の格差」をめぐる裁判で、広島高等裁判所は25日全国で始めて「選挙無効」の判決を言い渡した。                            この裁判は、2012年12月の衆院選での広島1区と2区の議員配分は、人口に比例しておらず、「1人1票という選挙権の平等に反する」として、弁護士らが広島県の選挙管理委員会に対して、「選挙無効」を求めていたもの。                          広島高裁は「2009年の衆院選をめぐる違憲判決で示された合理的期間内での選挙制度の是正がなされてはおらず、むしろ格差の状態が悪化の一途をたどっている」と国会の不作為を指摘し、「選挙無効」の判断を下した。                          原告弁護団長の金尾哲也弁護士は「憲法訴訟史上、初めてのことであります。まさに画期的な判決というべきであって」、「議員定数の是正の時期があったにもかかわらず、国会の責任」と話した』と伝えている。                           無効判決の根拠となった【国会の不作為】の状態を放置した最大の責任を負うべき民主党の細野幹事長は判決について、『判決に非常に衝撃を受けた。今、議席を得ている衆議院議員全体、さらに、日本が議院内閣制であることを考えれば、安倍政権の正当性に厳しい判断が下された今こそ、各党が腹を割って話していかなければ、国民から見放されることになりかねない深刻な状態だ。1票の格差を是正する最もよい方法は定数削減であり、これまで「0増5減」について不十分という判決が出ている以上、それに対応するだけの定数削減に踏み切るべきだ』と述べている。 ところで、民主党は政権の座にあった12年1月18日に民主党の政治改革推進本部の会合で自民党の1票の格差是正案【0増5減案】を受け入れることを正式に決定した。【0増5減】とは人口の少ない5つの県(徳島、福井、山梨、高知、佐賀)の選挙区を1つ減らし、他の都道府県選挙区は1つも増やさないという案で、これによって、1票の格差を2倍以内に抑えるというものである。暫定的な処置であることには間違いない。しかし、今求められているのは【1票の格差】の是正で、まず違憲状態を解消することである。                         定数削減は何のメリットがあるのであろうか。先進国の中で人口に比例して国会議員の数が一番少ないのがアメリカで、日本は二番目に少ない。アメリカは国名からも分かるように【State(国家)】の連合体であるから地方自治が徹底している。つまり中央政府の主たる役割は、外交と国防であるから国会議員の数が少なくても支障はないのだ。                          ところが日本は世界一の中央集権国家である。国会議員の数が少なすぎるために官僚に依存せざるをえないという日本の政治状況をわれわれ国民は理解すべきであろう。国会議員数の削減を一番歓迎するのは官僚機構であることを肝に銘ずべきなのだ。行政に対するチェックが甘くなるからである。                           日本が経済大国になった原因の1つは官民一体となって【貿易立国】を推進したことであろう、他国からは【エコノミックアニマル】や【日本株式会社】などという有難くない名称を頂戴した時期がある。                         日本は少子高齢化の先進国となり、再び外に出て行かなければならない時期を迎えている。今日本に必要なのは政治が主導して企業がグローバルな市場で闘える環境を整えることである。そんな時期に定数削減を実施しても政治の力を弱めるだけだ。地方分権が確立した時点で大幅な定数削減をなすべきである。                           野党議員は大幅な定数削減を主張するが本音ではない。お互いに一本化できない改革案を提示して時間稼ぎをしているにすぎない。増税をして財政状況が好転すれば【議員自らが身を切れ】という国民の声がトーンダウンするのを待っているようなものだ   (おわり)

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