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2012年12月21日 (金)

自民党の官僚離れの試金石、日本郵政社長人事

官僚用語を官僚たちやマスコミ関係者は【官僚文学】と呼んでいるらしいが、その官僚文学の表現では『日本郵政株式会社』は【完全な】民営化した会社であるという。 ところが【完全民営化】という表現を使わずに、【完全な】という文言を使用しているところがが曲者なのである。【完全な民営化】した日本郵政株式会社は企業の形態が株式会社の体裁を整えているだけで実態は株式の100%を国(財務大臣)が保有しているのであるから国営企業と何ら変りはない。            09年の政権交代後、民主党政権が最初に行ってことと言えば、政府系の持ち株会社【日本郵政】の民営化を後戻りさせたことである。日本郵政は、【民営化】して、三井・住友銀行の頭取であった西川善文氏を三顧の礼をもって社長に迎え、営業利益を上げていたが、民主党内閣の金融担当大臣の亀井静香国民新党代表が西川氏を更迭し、大蔵事務次官経験者の斉藤次郎氏を強引に社長に抜擢した。                            斉藤次郎氏は10年に1人の大物次官といわれ、1993年に大蔵事務次官(現財務事務次官)に就任し、94年2月に小沢一郎氏と福祉目的のために3%の消費税を7%とする【国民福祉税】構想を打ち上げ、細川内閣の崩壊の遠因を作った。                           自民党が政権復帰すると斉藤氏は任期半ばで、退任し、その後は不遇を囲っている。小沢氏に肩入れしすぎて自民党の不興を買ったためである。退職後、2つの職場を渡り歩き、斉藤氏は民営化された金融先物取引所の社長在任中の2009年10月に請われて日本郵政の社長に就任した。                           国民の眼からは斉藤氏は民主党がマニフェストに謳っていた【天下り】禁止を反故にしたと映ったのである。これ以降国民の信頼は民主党から離れていく。まさにこの人事が民主党の崩壊の始まりであった。                            自民党政権が復活したならばまず最初に槍玉に上がるのは日本郵政の斉藤社長であると筆者は思っていたので、今回の臨時取締役会を開いて社長交代を発表したのは更迭される不名誉を斉藤社長は避けるために先手を打ったということになる。                           この社長交代について次期官房長官に内定している自民党の菅義偉(よしひで)幹事長代行は早速異を唱えている。                           読売新聞電子版【ヨミウリオンライン】は19日夜、『自民党の菅義偉幹事長代行は19日、政府が100%株を保有する日本郵政の斉藤次郎社長の後任に坂篤郎(あつお)副社長が決まったことに関し、国会内で記者団に「政権移行時に財務省(旧大蔵省)出身のたらい回しだ。看過できない」と述べ、不快感を示した。安倍政権発足後に人事も見直す考えを示した。菅氏は安倍政権の官房長官に内定している。                          これに対して、斉藤氏は19日の記者会見で「株式会社は取締役会で了承を得て決めるのがすべてだ。政権交代に関係なくj実施できる」との見解を示した』と配信している。                           安倍内閣発足後の政権与党の自民党幹事長就任が内定している自民党石破茂幹事長も「政権移行時期に、断じて許されない人事」と批判している。                            100%株式を保有している財務大臣の意向を無視できない立場の日本郵政は、いくら斉藤社長が正規な手続きを踏んだと主張してもこの社長交代人事がすんなり政府の了承を得られるとは思えない。                           消費税増税が始まる14年4月1日までに自民党は官僚機構に対して身を律することを要求する厳しい姿勢を見せなければ、国民の理解は得られない。自民党が変容したと国民に思われなければ4年後に政権交代が再び起こりかねないのだ。この人事の扱いは新しく誕生する自民党政権の試金石になるに違いない。   (おわり)


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