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2012年12月 9日 (日)

無責任な【脱原発】に与(くみ)していいのか

12月4日に公示された衆院選も6日目に入り、中盤に差し掛かった。選挙の最大の争点とになると思われていた【脱原発】は有権者のそれほど関心を呼んでいるとは思えない。                           その原因は【第3極】と言われる新興の勢力が【議席】を得るために離散集合を繰り返した末に、3分裂して、3つの政党に収斂したからであろう。【脱原発】にしろ、【卒原発】にしろ、そこに至るまでのロードマップを国民に示さないのであるから、多くの国民は戸惑うばかりなのである。                         IEA(国際エネルギー機関)の資料によれば、2005年度の日本の電源に占める原子力の比率は約23,5%だ。【脱原発】、【卒原発】を実現するには23,5%の電力を何で補うという数値目標を示さない限り単なる絵に描いた餅なのである。                          ドイツは電源に占める原発依存率が2005年当時22,1%であったが、これを再生可能エネルギー(太陽光と風力)によって代替するという計画を立て、【再生可能エネルギー】の比率の目標を35%とした。この大胆な計画実現のための手段が日本でも今年の7月1日から導入された【固定価格買い取り制度】である。                           ドイツは今年度末には【再生可能エネルギー】の比率が30%に達するといわれている。ところが急速なエネルギー代替のために発電した電気を消費者の元に届ける送電線網が未整備で電気が不足し、今年の1月~3月には停電が頻発している。                           民主党の【脱原発案】は原子力の代替エネルギーを「再生可能エネルギー」(太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマスなど)に求めている。さらに【再生可能エネルギー】利用のための機器(太陽光パネル、風車、水車など)の製造が雇用を生み、日本経済の牽引車の一つになると民主党は公約で主張しているのだ。筆者に言わせれば、ドイツの二番煎じであろう。                           ドイツが【再生可能エネルギー】の利用に急激に舵を切った理由は2つある。一つは環境汚染を回避するためである。ドイツは石炭として一番品質が悪い褐炭(色が褐色だから)を豊富に産出するために火力発電所の燃料(全燃料の46%を占める)として使用されている。褐炭には水分と酸素が多く含まれ、煤煙が大気汚染と酸性雨の原因とされる。                         2つ目の理由は西ドイツと旧東ドイツの経済格差を是正するためだ。ドイツ連邦政府は崩壊した東ドイツの経済を復興させるために新しい産業を創造する必要があった。それが太陽光パネル製造産業で、最盛期には東ドイツ地区に37万人の新たな雇用が生まれている。                            しかし、急激な太陽光発電の普及により、電気料金(再生可能エネルギーの買い取り負担金)が11年になり、09年の442円から1405円に跳ね上がり、国民から不満が沸き起こった結果、【固定価格買い取り価格】を引き下げる事態も起きたという。                           さらに電力会社は電気料金の高騰を抑えるために廉価な中国製の太陽光パネルを導入したためにドイツのメーカーは市場を失い、多くのメーカーが倒産した。                           毎日新聞電子版【毎日JP]】は、『衆院選では多くの政党が「脱原発」を訴え、代替電源として再生可能エネルギーの拡大を掲げている。「再生可能エネルギーで地域産業を育成し、雇用を拡大する」「エネルギー革命を断行する」。公約には前向きな文字が並ぶ。だが、再生エネは新たに導入された固定価格買い取り制度で成り立つ仕組みだ。拡大すればさらに電気料の上昇につながる可能性があるが、負の側面を訴えるほとんどない』と報じている。                           【再生可能エネルギー】は安定供給という点では問題がある。発電コストという面でも他のエネルギー利用の発電コストの約3倍で、問題があると言われている。                         それぞれの電源には長所と短所が同居しているのでそれを精査して、電源の比率を決める必要がある。電源の比率を決めた上で【脱原発】への移行時期を決めるべきである。はじめに【脱原発ありき】ではない。

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